立ち止まること
こんばんは。
関口えな役の西川紗由美です。
いよいよ稽古も終盤。
皆持てる力を一つの場所へ集めて、最高の初日になるよう頑張っています。
私が1ページを頂いて書かせて頂けることには限界があるけど、今日は少しだけ自分が思っている事を書かせて下さい。
いじめ、って何だろう。
私は幼稚園からずっと虐めを受けて生きてきました。そんな私が今生きていて思うこと。
それは、虐めは確かに良くない事だけど、小さい事でもそこには必ず、自分以外の誰かの小さな悲しみがあったのかもしれないこと。
ただ、黒の世界はすぐに周りを飲み込んで同化させていく。原型が何かだったか、元の色が何色だったか思い出せないくらいに。
この世に存在する出来事にはかならず裏と表がある。一方から見た出来事は悪かもしれないけど、一方から見た出来事は善かもしれない。
だから、何が正しいかなんて、その人の中にある価値観でしか測ることは出来ないけど、人間しか持っていない思い遣りと優しさと言う絵の具で、モノクロの世界は幾らでもカラフルに鮮やかに、世界は煌めく事が出来るはず。
今、世の中はモノクロな冷たい世界。
戦争や自然災害、殺人、その他にも溢れ返る悲しい色の世界。
生まれた瞬間に与えられた思い遣りと優しさの色は、環境や生活の中で生きている間にどんどん酸化して黒ずんでいく。だからこそ、今これを読んでくれたあなたにはこの作品を見て、あなたの中にある素敵な色を思い出して貰いたい。
あなたが持ってる優しさと思い遣りの色を。
それは、あなたしか持ってない色だから。
そして、
この舞台を見てくださった方々の生きる世界が、少しでも彩り鮮やかになる、そんなお手伝いが出来ますように。